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自治労共済生協島根県支部地位確認等請求控訴事件の判決について

2013.11.08
 謹啓 平素より自治労共済生協をご利用いただき、誠に感謝を申し上げます。

 自治労共済生協島根県支部(以下、「島根県支部」といいます。)が、2011年2月広島高等裁判所松江支部へ控訴した標記控訴審は、2013年7月17日結審し、10月23日の判決において島根県支部の主張を認め、元嘱託職員の解雇を有効とする旨の判決が出されました。
 以下、判決の内容等について報告させていただきます。

本件は、自治労共済生協島根県支部の情報を元嘱託職員が不正に取得したことを理由として、島根県支部が元嘱託職員を解雇したところ、元嘱託職員が、情報の取得は公益通報を目的としてなされたものであり違法性はないため解雇は無効であると主張して、島根県支部の嘱託職員の地位にあることの確認等を求めて提起した事案です。


第一審(2011年2月2日、松江地方裁判所)において、元嘱託職員の主張を認める判決が出されたため、島根県支部が同判決を不服として控訴しました。


この度、控訴審である広島高等裁判所松江支部は、その判決の中で、

 (1)

元嘱託職員が厚生労働省に通報した問題(以下「本件各問題」といいます。)は、元嘱託職員が情報を不正に取得する以前に、島根県支部において解決済みであったから、本件各問題の解決を目的として元嘱託職員が情報を不正取得する必要はなかったこと、


 (2)

元嘱託職員は、本件各問題と無関係の事実に関する情報(島根県支部の所管ではない問題に関する情報を含む)の不正取得を繰り返していたこと、


 (3)

元嘱託職員が、有給休暇や手当の支給について正当とは認め難い要求を繰り返してきたこと、 等の事実から、元嘱託職員による情報の不正取得は、本件各問題の解決のためにこれらを公益通報する目的でなされたものとは到底認められないと判示しました。(むしろ、島根県支部に、自己の要求や意見を受け入れさせるために島根県支部に不利な情報を入手することを目的としてなされたものであるとしました。)


上記に加え、情報取得の態様が、情報管理者の不在時に管理者のパソコンを無断で操作して取得したり、他の職員のUSBメモリを無断で持ち出すという極めて悪質なものであるなどの事情が認められ、これらの情報取得行為は島根県支部との信頼関係を失わしめる違法ないし不当なものというべきであるから、解雇は合理的かつ社会的相当性のあるものとして正当であると結論づけました。


また、第一審判決に基づき、島根県支部が元嘱託職員に支払った仮払金(給与相当額)について、元嘱託職員に対し、島根県支部への返還が命じられました。


元嘱託職員は、上記控訴審判決を不服として本年11月1日に上告しました。今後の対応につきましては、必要な法的対応をはかっていくことといたします。


最後に、組合員の皆様とご家族をはじめ、関係団体の皆様に多大なご心配とご迷惑をおかけしておりますことをお詫び申し上げますとともに、今後一層コンプライアンスの徹底をはかってまいります。


謹白

全日本自治体労働者共済生活協同組合
理事長 氏 家 常 雄


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