公務員賠償責任保険制度 公務員の賠償責任リスクに備える保険制度です。

公務員賠償責任保険制度 公務員の賠償責任リスクに備える保険制度です。

「自治労共済生協の公務員賠償責任保険制度」 Q&A集

目次

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●第1章 自治労共済生協の「公務員賠償責任保険制度」について

Q1-1 地方公務員を取り巻く最近の情勢は?
A1-1
近年の情報公開制度の浸透や司法制度改革の影響で、地方公務員の職務におけるトラブル(窓口担当職員と住民とのトラブル、税金徴収に関するトラブル)により、住民訴訟や民事訴訟で職員個人が損害賠償請求を受けるケースが増えてきています。また、2008年に成立した国家公務員制度改革基本法では、国家賠償法に基づく求償権の「適正かつ厳格な行使の徹底」を求めており、今後、地方公共団体から職員個人へ求償する動きが強まることが懸念されます。
民間損保では、職員個人が負担する法律上の損害賠償金や争訟費用を補償する「公務員賠償責任保険」を開発し、既に全国では10数万人規模の地方公務員が加入するなど、同保険のニーズは年々高まってきています。互助会、職員共済組合、福利厚生会等を契約団体とする民間損保の制度があるところも多いと思われます。(組合員の皆様にお役立ちできるよう、今後も本制度の一層の充実を図っていきます。当地の他制度の情報等ございましたらお手数ですがご提供ください。)
Q1-2 自治労共済生協が「公務員賠償責任保険」に取り組む理由は?
A1-2
上記A1-1のような流れを受け、自治労共済生協としては、労働組合としての第一義的な取り組みを大前提とした上で、次のことを踏まえ、組合員に対するセイフティネットの整備をはかり、共済の理念でもある「安心」を組合員に提供するとともに、組織防衛上の観点から、「公務員賠償責任保険」を取り扱うこととしました。
  1. ①2002年の地方自治法改正により、住民訴訟の対象は地方公共団体となりましたが、地方公共団体が敗訴した場合は職員個人に損害賠償または不当利得返還の請求が行われることとなります。また、国家賠償法により地方公務員の業務において本来職員個人が訴訟を受けることはありませんが(但、重大な過失がある場合は本人に求償されることが考えられます)、本人訴訟(弁護士などの訴訟代理人を立てない訴訟)などで、本来は想定しえない個人に対する不法行為責任等による訴訟が提起されることもあるため、職員の精神的・経済的負担がなくなったとはいえない状況にあること。
  2. ②本部救援は「組合活動」が要件となるため、公務に基づくものは適用対象外となり、自治労としても組合員個人に対する財政的な救済策がないこと。
  3. ③民間保険会社がこの保険をきっかけに、自治体職場に入り込むことによって、他の保険商品(生命保険等)の販売攻勢をかけ、自治労共済生協加入者の切り崩しなど、共済制度全般に対する影響が懸念されること。

●第2章 地方公務員と訴訟

Q2-1 地方公務員が損害賠償請求や命令をされることの法的根拠は?
A2-1
地方公務員としての職務につき行った行為に起因する請求としては、次のものが考えられます。
  1. ①民事訴訟(国家賠償法に基づき地方公共団体を訴えるケース、民法に基づき職員個人を訴えるケース等)
  2. ②住民監査請求(住民が地方自治法に基づき、違法・不当な公金の支出、違法・不当な公金の賦課徴収または財産の管理を怠ること等があると認める時に、監査委員会に対して監査を求め必要な措置を講じることを請求できる。監査の結果、監査委員会からなされた賠償勧告の措置として首長などから賠償請求をされるケース)
  3. ③住民訴訟(住民が地方自治法に基づき、損害賠償または不当利得返還の請求を職員に行うことを地方公共団体に訴えるケース)
    結果的に職員個人が賠償責任を負わなくても、訴訟等における弁護士費用などの争訟費用は職員の個人負担となります。「公務員賠償責任保険」では損害賠償金に加えて、この争訟費用も補償します。
    • 2020年10月の制度改定により、刑事事件の争訟費用についても支払い対象としております。
  4. ④首長からの弁償請求・損害賠償命令(地方自治法243条の2等に基づき、首長が職員に弁償請求・賠償命令を行うケース)
    さらに、「公務員賠償責任保険」では初期対応費用として、職員個人の法律上の賠償責任の有無が十分判明しない初期の段階でも、事故現場の写真撮影や被害者への見舞金等も補償します。(ただし、見舞金は身体障害(傷害および疾病ならびにこれらに起因する後遺障害および死亡)の場合に限ります。)
Q2-2 民事訴訟とはどのようなものか?
A2-2
地方公務員としての職務につき行った行為によって私人が損害を被った場合、国家賠償法または民法に基づき、その損害の賠償を請求するものです。
Q2-3 住民訴訟・住民監査請求とはどのようなものか?
A2-3
住民訴訟とは、地方公共団体の住民が、地方公共団体の執行機関又は職員による違法な財務会計上の行為又は怠る事実の是正を求める訴訟をいいます。住民訴訟は、地方自治法に定める住民監査請求を経なければ提起することができません。(Q2-6参照
Q2-4 地方自治法243条の2による長からの弁償請求・賠償命令とはどのようなものか?
A2-4
地方自治法第243条の2は、主に会計職員および予算執行職員の賠償責任に関する規定です。第1項では、「会計管理者もしくは会計管理者の事務を補佐する職員、資金前渡を受けた職員、占有動産を保管している職員または物品を使用している職員が、故意または重大な過失(現金については故意または過失)により、その保管に係る現金、有価証券、物品もしくは占有動産またはその使用に係る物品を亡失または損傷した時、それによって生じた損害を賠償しなければならない。」としています。地方公共団体の長は、第1項に定める職員の行為によって地方公共団体に損害を与えたと認める時は、監査委員に対してその事実があるかどうかを監査し、賠償の有無および賠償の決定を求め、その決定に基づき当該職員に対して賠償を命じなければなりません。
また第1項の後段では、予算執行職員等の賠償責任について、次のように規定しています。
「支出負担行為等(1.支出負担行為、2.第232条の4第1項の命令又は同条第2項の確認、3.支出又は支払、4.第234条の2第1項の監督又は検査)の権限を有する職員、またはその権限に属する事務を直接補助する職員で、地方公共団体の規則で指定したものが、故意又は重大な過失により法令の規定に違反して当該行為をしたこと、または怠ったことにより地方公共団体に損害を与えた時もまた同様とする。」
Q2-5 2002年の地方自治法改正により、公務員個人が住民訴訟の被告にはならなくなったが、それでも保険の必要性はあるのか?
A2-5
住民訴訟は2002年に制度改正されました。改正後は地方公共団体が被告となりますが、職員個人が訴訟参加※するケースがあります。その際の弁護士費用や敗訴した場合における地方公共団体から職員個人への損害賠償請求に伴う損害賠償金など、職員個人が負担する費用や賠償金が補償の対象となります。
  • 「訴訟参加」
    地方公共団体が敗訴すると、職員個人は地方公共団体から損害賠償請求や不当利得返還請求を受けることとなります。職員個人は訴訟結果についての利害関係を有するため、4号訴訟(地方自治法第242条の2第4号に基づく訴訟)が提起されると、地方公共団体を補助する「訴訟参加」ができます(民訴法第42条)。4号訴訟が提起されると、地方公共団体は職員個人に対して、遅滞なくその訴訟の告知をしなければなりません。(地方自治法第242条の2第7項)
Q2-6 2002年の地方自治法改正後の住民訴訟の流れとはどのようなものか?
A2-6
  1. ①住民が自ら居住する地方公共団体の監査委員に住民監査請求を行った結果、以下の場合に に、住民は地方公共団体に対して「違法な行為を行った職員に対して損害賠償または不当利得返還の請求をせよ」との訴訟を提起します。
    • 監査請求前置主義:住民訴訟は地方自治法に定める住民監査請求を経なければ提起することがきません。監査委員に監査請求をできる者は、法律上行為能力を認められている限り、自然人でも法人でも可能です。
    1. 1.監査委員の監査の結果・勧告、勧告に基づいて長等が講じた措置に不服があるとき
    2. 2.監査委員が監査の勧告を60日以内に行わないとき
    3. 3.監査委員の勧告に基づいた必要な措置を長等が講じないとき。
      (監査委員からの勧告の措置に基づく賠償請求があった場合の損害賠償金は補償の対象となります。※2013年度制度改定)

  2. ②地方公共団体は、住民訴訟の対象となった行為に対して権限を有する職員に訴訟告知をします。この場合、職員は自ら弁護士を選任して訴訟に参加し、自らの正当性を主張することができます(いわゆる訴訟参加)。この場合の弁護士費用は補償の対象となります。

  3. ③訴訟に敗訴した場合は、地方公共団体が職員個人に対して損害賠償請求または不当利得返還請求を行い、職員個人は損害賠償責任等を負います。損害賠償請求の場合は、損害賠償金および争訟費用が「公務員賠償責任保険」の補償対象となります。不当利得返還請求の場合は、不当利得返還金そのものは補償の対象外ですが、不当利得返還請求に係る争訟費用は、補償の対象です。ただし、免責事項に該当する場合を除きます。
Q2-7 「公務員賠償責任保険」が、不正な行政行為を助長するものになるのではないか?
A2-7
「公務員賠償責任保険」では公序良俗に反する行為は免責としており、不正な行政行為を助長するとの指摘はあたらないものと考えています。地方分権に向け急速に時代が変化する中、各地方公共団体の公務員個人の業務負担も増えつつあり、公務員は、今まで以上に効率的な業務の遂行が求められています。
このような中で、地方公務員が公正な職務を遂行するためには、言いがかり的な請求に伴う精神的・金銭的負担をできるだけ軽減する必要があります。
「公務員賠償責任保険」は、このような観点から、地方公務員が公正に職務を遂行できる環境の整備を目的として開発されたものであり、不正な行政行為に起因する損害まで補償するものではありません。
Q2-8 勝訴した場合でも費用が発生するのか?
A2-8
法律で定められている訴訟費用は、基本的には敗訴した者が負担することになります。ただし、ここでいう訴訟費用は、裁判を行うのに必要な全ての費用を含むわけではありません。例えば弁護士報酬は原則として訴訟費用には含まれず、裁判の勝ち負けにかかわらず必要となる場合があります。

●第3章 商品

(1)加入者
Q3-1 加入者(被保険者)の範囲は?
A3-1
自治労共済生協組合員かつ地方公共団体(※1)または特定地方独立行政法人(公務員型)に所属する職員(地方公務員)の方が加入できます。 ただし、地方公務員法に規定された特別職(※2)や教員(※3)、警察職、司法検察員は除きます。
  • 1 「地方公共団体」とは、以下の団体をいいます。
    • ○地方自治法第1条の3第2項に定める普通地方公共団体(都道府県および市町村)
    • ○地方自治法第1条の3第3項に定める特別地方公共団体(特別区、地方公共団体の組合、財産区および地方開発事業団)
    • ○地方公営企業法に基づいて設立された地方公営企業
  • 2 「知事、副知事、市長、副市長、議員」以外の特別職は、取扱代理店または引受保険会社までお問い合わせください。
  • 3 幼稚園教諭は加入できます。
Q3-2 管理職も加入できるのか?
A3-2
上記A3-1の加入者(被保険者)の範囲の要件を満たす管理職は、「公務員賠償責任保険」に加入することができます。
Q3-3 会計年度任用職員も加入できるのか。
A3-3
上記A3-1の加入者(被保険者)の範囲の要件を満たす会計年度任用職員、再任用・再雇用職員は加入することができます。また、特別職の非常勤嘱託員も加入することが可能です。
Q3-4 幼稚園の教諭は、加入できるのか?
A3-4
幼稚園教諭も加入することが可能です。 (制度発足当初は、幼稚園の教諭は加入対象外としておりましたが、昨今の幼保一元化の動きなどを背景に、幼稚園の教諭も保育士と同様に加入対象に含めて欲しいとの要望を多数受け、2011年7月発効契約より幼稚園教諭を加入対象範囲に拡大する改定を実施済み。保険料は「一般職・専門職」のものと同額。)
Q3-5 専門的職業行為を行う医療・福祉専門職なども加入できるのか?
A3-5
加入できます。専門資格に基づく専門業務に起因する賠償責任も補償します。ただし、医師・歯科医師は保険料が異なり、また補償の対象外となる職種もあります。詳細は下表をご参照ください。
専門業務に起因する請求も補償される専門職 薬剤師、助産師、看護師、保健師、歯科衛生士、歯科技工士、臨床検査技師、臨床工学技士、診療放射線技師、救急救命士、救命艇手、介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員(ケアマネージャー)、ホームヘルパー、建築士、土地家屋調査士、技術士、測量士、精神保健福祉士、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、言語聴覚士、義肢装具士、保育士、老人福祉指導主事、身体障害者福祉司、知的障害者福祉司、精神保健福祉相談員、職能判定員、母子指導員、少年指導員、児童指導員、児童の遊びを指導する者(児童厚生員)、児童自立支援専門員、児童福祉司、放課後児童指導員、心理判定員、児童生活支援員、社会福祉主事、栄養士、調理師、幼稚園教諭、准看護師、建築主事、食品衛生監視員、環境衛生指導員、計量士 等
割増保険料を頂いた上で、専門業務に起因する請求も補償される専門職 医師、歯科医師
専門的業務に起因する請求は免責となる専門職 獣医師、はり師、きゅう師、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師
Q3-6 外郭団体等(他の地方公共団体や公益法人、地方独立行政法人等)に派遣された職員は加入できるのか?また、加入できる場合には、地方公務員と同じ補償内容となるのか?
A3-6
地方公務員のままであれば、加入できます。ただし、以下のいずれかの規定に基づいて記名法人(加入依頼書記載の地方公共団体をいいます。)から派遣されている場合に、その派遣先(他の地方公共団体※や公益法人、地方独立行政法人等)の職員としての職務につき行った行為が、補償の対象となります。(補償内容も同様です)
  • 都道府県、市町村、特別区、地方公共団体の組合、財産区、地方開発事業団、地方公営企業
  1. ①公益的法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律
  2. ②地方自治法
  3. ③地方独立行政法人法
  4. ④公益的法人等への記名法人の職員の派遣等に関する条例
Q3-7 国や民間企業から地方公共団体へ来られている職員も加入できるのか?
A3-7
派遣元を一時的に退職するなど、身分が地方公務員でありかつ自治労共済生協組合員であれば加入できます。
(2)保険料
Q3-8 保険料・補償内容(支払限度額)は?
A3-8
保険料・補償内容(支払限度額)は下表のとおりです。中途加入の保険料はパンフレット「保険の概要」P2をご参照ください。
<2021年度契約>(2021年10月1日~2022年10月1日の12ヶ月契約)
項目 タイプS タイプA タイプB タイプC
損害賠償金・争訟費用(合算) *1 3億円 1億円 5,000万円 3,000万円
訴訟対応費用 500万円 500万円 500万円 500万円
初期対応費用*2 500万円 500万円 500万円 500万円
年間保険料 7,440円 6,240円 4,800円 2,880円
*1 「地方自治法243条の2」の規定による損害賠償命令および「会計法第41条1項」「予算執行職員等の責任に関する法律第3条第2項」「物品管理法第31条1項および2項」の規定による弁償請求の場合、法律上の損害賠償金および争訟費用ならびに法律上の弁償金については、上表※1付記欄に掲載の額の内枠において、その50%が支払限度額となります。また、「予算執行職員等の責任に関する法律第3条第2項」の請求については、縮小支払割合(90%)も適用されます。
*2 初期対応費用に含まれる対人見舞金は被害者1人あたり3万円限度

  • 「医師、歯科医師」の2職種については、専門業務に起因する賠償責任を補償する賠償責任保険(医師賠償責任保険)にも追加加入することになります。(補償内容や保険料の詳細については、取扱代理店(㈱自治労サービス)または引受保険会社(東京海上日動火災保険㈱)にお問合せください。)
Q3-9 地方公共団体が公費で保険料を負担することは可能か?また、単組で負担することは可能か?
A3-9
「公務員賠償責任保険」は、被保険者である地方公務員個人に保険料を負担していただきます。 公務員個人の損害賠償金や争訟費用を補償する保険の保険料を地方公共団体が負担することは、違法とされるおそれがあります。 一方、単組で補助負担することに関しては問題ありません。事例については(Q5-7)を参照下さい。
(3)補償内容
Q3-10 法律上の損害賠償金および弁償金、争訟費用、初期対応費用、訴訟対応費用とはどのようなものか?
A3-10
「公務員賠償責任保険」は、被保険者が地方公務員(記名法人の職員。記名法人とは加入依頼書記載の地方公共団体をいいます。)としての職務の遂行に起因する請求を受けた場合において、争訟費用(弁護士費用等)、訴訟対応費用(応訴に必要な文書の作成費用等)または法律上の損害賠償金等を支出することによって被る損害に対して、保険金をお支払いする保険です。
また、地方公務員としての職務について行った行為に伴い、他人の身体の障害等が発生した場合の見舞金等の初期対応費用もお支払いの対象となります。
「公務員賠償責任保険」の法律上の損害賠償金および弁償金、争訟費用、初期対応費用、訴訟対応費用とは、次のものをいいます。
  1. ①法律上の損害賠償金および弁償金
    引受保険会社が同意した法律上の損害賠償責任に基づく賠償金をいい、次のものを除きます。
    • a.税金、罰金、科料、過料、課徴金
    • b.懲罰的損害賠償金または倍額賠償金(これに類似するものを含みます。)の加重された部分
    • c.被保険者と他人との間に損害賠償に関する特別の約定がある場合においてその約定により加重された賠償金
    • d.地方公務員としての職務の結果を保証することにより加重された賠償金
    • e.不当利得返還金
  2. ②争訟費用
    請求に関する争訟(訴訟、仲裁、調停または和解等をいいます。)によって生じた費用のうち、引受保険会社の同意を得て支出した弁護士費用(訴訟に先立って行う法律相談費用を含む)等をいいます。(職員個人が法律上の損害賠償責任を負わない場合も、お支払いの対象です。)
  3. ③初期対応費用
    地方公務員としての職務につき行った行為に伴って保険期間中に「事故」が発生した場合に、被保険者がその事故について初期対応を行うために支出した次の費用をいいます。ただし、その金額および使途が社会通念上、妥当と認められるものに限ります。
    1. (1)事故現場の保存、事故状況の調査・記録、写真撮影または事故原因の調査の費用
    2. (2)事故現場の取り片付け費用
    3. (3)被保険者が事故現場、身体の障害を被った者の自宅またはその者が入院している医療施設に赴くために必要な交通費・宿泊費等の費用
    4. (4)通信費
    5. (5)身体の障害を被った者に対する見舞金(香典を含みます。)または見舞金購入費用(被害者1名につき3万円を限度とします)
    6. (6)その他(1)から(5)までに準ずる費用(見舞金または見舞品購入費用を含みません。)
    「事故」とは、次のアからエまでのいずれかの事由をいいます。
    • ア.他人の身体の障害
    • イ.他人の財物の損壊、紛失、盗取または詐取
    • ウ.人格権の侵害の原因となると思われる不当行為
    • エ.教務職である記名法人(加入依頼書記載の地方公共団体をいいます。)の職員が行った児童・生徒・学生に対する法的処分もしくは事実行為としての懲戒または調査書等の学業成績の表示。(ただし、児童・生徒・学生またはその扶養者の経済的損害の原因となると認められるものに限ります。)
  4. ④訴訟対応費用 損害賠償請求、不当利得の返還請求または住民訴訟による提訴請求の訴え(訴訟)が保険期間中になされた場合に、被保険者が応訴のために支出した次の費用をいいます。ただし、その金額および使途が社会通念上、妥当と認められるものに限ります。
    1. (1)被保険者の交通費または宿泊費
    2. (2)被保険者が自らまたは外部の実験機関に委託して行う事故の再現実験費用
    3. (3)意見書・鑑定書の作成費用
    4. (4)相手方当事者または裁判所に提供する文書の作成費用
Q3-11 日常生活に起因する損害賠償責任も補償の対象となるのか?
A3-11
「公務員賠償責任保険」は、地方公務員としての職務につき行った行為に起因した損害賠償責任に備える保険ですので、日常生活に起因する損害賠償責任は補償の対象外です。
Q3-12 退職後5年間の補償とは?
A3-12
退職等(自己都合退職含む)によって記名法人(加入依頼書記載の地方公共団体をいいます。)の職員でなくなった後、保険期間の末日から5年以内に、地方公務員としての職務につき行った行為に起因して請求がなされた場合は、退職時に加入していた保険期間の末日になされたものとみなして補償の対象となります。
ただし、退職時にそれまで加入していた保険契約を解約せず、保険期間の末日まで契約していた場合に限ります。なお、保険期間の末日とは、退職後に保険期間の残り期間がある場合は、その期間の終了日を指します。 例1:退職時に加入している契約を満期まで継続された場合(5年間の延長補償あり)
  • 「医師賠償責任保険」では、上記のような5年間延長補償はありませんので、ご注意ください。
例2:退職時に(中途)解約された場合
Q3-13 退職後に再任用となった場合の補償はどうなるのか?
A3-13
再任用となる場合でも一旦退職扱いとなるため、その時点で延長規定は発動します(※A3-12の要件を満たす必要あり)。 その上で、再任用期間中の職務につき行った行為に起因する請求に備えたい場合は、再任用期間中も継続してご加入いただく必要があります。(さらに、再任用期間満了の際は、その時に加入していた保険期間の末日から5年間(再任用期間中の行為に起因する請求ついて)延長補償となります。) 例1:再任用期間中も継続して加入し、再任用期間満了時に加入している契約を(中途解約せず)満期まで継続した場合 例2:再任用期間の途中の更新時に非継続された場合 例3:再任用期間の満了時に(中途)解約された場合(満了日が10/1の時は該当しません。)
Q3-14 国家賠償法で地方公共団体が提訴され、5年以上に及ぶ裁判での争いの結果、地方公共団体が敗訴し、その後、地方公共団体は訴訟提起の原因となった行為の当事者である地方公務員に対して国家賠償法に基づいて求償した。当該地方公務員は、最初に地方公共団体が提訴された時点では「公務員賠償責任保険」に加入していたが、その後退職し、求償された時点では、退職後5年間の延長補償特則の適用期間を超過していた場合に、当該求償リスクは補償されるのか?
A3-14
公序良俗違反など免責事項に該当しない限り、補償されます。 約款上、同一の行為またはその行為に関連する他の行為に起因するすべての請求は「一連の請求」とみなし、「一連の請求」は、最初の請求がなされた時にすべてなされたものとみなします。
そのため、地方公務員としての職務につき行った行為に起因して、地方公共団体が提訴された時に、「公務員賠償責任保険」に加入していれば、その後、同一の行為に起因して地方公共団体から求償を受けた場合にも、最初に地方公共団体が提訴された時を請求がなされた時とみなし、補償の対象となります。
Q3-15 被保険者が保険期間中に退職した場合において、保険期間の末日から5年以内に請求がなされたときは補償の対象となるが、退職とは定年退職のみを指すのか?
A3-15
退職理由は問いません。自己都合退職による退職も含まれます。
Q3-16 本人が死亡した後に本人の生前の行為に対してご家族等が提訴された場合の補償はどうなるのか?
A3-16
退職時と同様、5年間の延長補償が適用されます。ただし、死亡後もそれまで加入していた保険契約を解約せず、保険期間の末日まで契約していた場合に限ります。
Q3-17 保険期間中に退職するが、残期間分の保険料は返還してもらえるのか?また、退職後に訴訟提起された場合の補償はどうなるのか?
A3-17
保険期間の中途で解約手続きを行えば未経過期間に対応する保険料を返還します。
ただし、保険料を返還すると、退職後に訴訟提起された場合の補償がなくなりますのでご注意ください。
Q3-18 退職や人事異動(退職出向)は3月末に集中しており、3月1日や10月1日の始期契約では、数ヶ月の契約期間にも関わらず5年間の延長補償を受けるために、1年分の保険料を支払わなければならないことについて組合員の納得感は得られないのではないか。どのように説明すればいいのか。
A3-18
相手方からの請求は、原因となる行為の時から一定期間を経てからなされるケースが多く、「公務員賠償責任保険」も保険期間中に事故が発生した場合に保険金をお支払いする「事故発生ベース」ではなく、相手方からの請求が保険期間中になされた場合に保険金をお支払いする「請求ベース」(※1)としています。延長補償(※2)の期間は、加入している保険の保険期間の末日(10月1日)から起算されるため、3月末に退職した場合には、当該年度の保険期間の末日までの6ヶ月間+延長補償期間である5年間の合計5年と6ヶ月の間、補償が継続することになります。また、初年度加入日より前に行った行為に起因する請求を補償対象(※1)としているので、負担いただく保険料相当分の意味はあるものと考えます。
  • 1 「医師賠償責任保険」については、取り扱いが異なります。代理店(㈱自治労サービス)または引受保険会社(東京海上日動火災保険㈱)にお問合せください。
  • 2 「医師賠償責任保険」では、上記のような5年間延長補償はありませんのでご注意ください。
Q3-19 地方公共団体を退職しないまま、民間会社に出向した場合、出向前に地方公務員としての職務につき行った行為に起因した請求が、出向期間中になされた際のリスクを補償するには、出向期間中も「公務員賠償責任保険」に加入しなければならないのか?
A3-19
当該民間会社への出向期間中も、「公務員賠償責任保険」に加入していただく必要があります。(退職していないため、5年間の延長補償特則は適用されません)
Q3-20 地方公共団体を退職した上で、民間会社に出向(数年後に、地方公務員に復職することと前提の出向)した場合、出向前に地方公務員としての職務につき行った行為に起因した請求が出向期間中になされた際のリスクを補償するには、出向期間中も「公務員賠償責任保険」に加入しなければならないのか?
A3-20
出向期間中は公務員の身分を失っているため、「公務員賠償責任保険」に加入することができません。ただし、5年間の延長補償特則が適用されるため(ただし、退職時にそれまで加入していた保険契約を解約した場合を除く)、請求日が保険期間の末日から5年以内であれば補償されます。(ただし、免責事由に該当する場合は除く)
Q3-21 地方公務員が病院などの地方独立行政法人に派遣される際に、公務員としての身分を保持したまま派遣されるケース(在籍出向)と、公務員としての身分を辞して派遣されるケース(退職出向)がある。それぞれのケースにおいて「公務員賠償責任保険」の補償はどうなるのか?
A3-21
在籍出向で次のいずれかの規定に基づいて派遣されている場合に、その派遣先の職員としての職務につき行った行為に起因する請求は、補償の対象となります。(補償内容も同様です)
  1. ①公益的法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律
  2. ②地方自治法
  3. ③地方独立行政法人法
  4. ④公益的法人等への記名法人の職員の派遣等に関する条例
一方で、退職出向の場合には、その派遣先の職員としての職務につき行った行為に起因する請求は、補償の対象外となります。ただし、出向時にそれまで加入していた保険契約を解約せず、保険期間の末日までご契約していただくことで、保険期間の末日から5年以内に、出向前の地方公務員しての職務につき行った行為に起因して請求がなされた場合は、退職時に加入していた保険期間の末日になされたものとして補償の対象となります。
なお、退職出向中に保険期間の末日を迎えた場合には、地方公務員としての身分がないため、契約を更新することはできません。
Q3-22 上司の命令等に従って行った行為について、「違法性」があると認識していた場合でも、補償の対象となるのか?
A3-22
誰の命令であっても、法令に違反することを被保険者が認識しながら(認識をしていたと判断できる合理的な理由がある場合を含みます。)行った行為に起因する請求は補償の対象外です。
Q3-23 「各種法令に違反することを認識しながら行った行為」か否かの判断は、どのようにされるのか?
A3-23
被保険者の自認による法令違反の認識有無の事実確認、または、法令に違反するおそれを第三者に指摘されていた、法令に違反するおそれがある旨の報告を受けていた等、本人が違法性につき認識がないと主張していたとしても、認識していたと判断できる事実・証拠があれば合理的な理由となり、その行為に起因する請求は補償の対象外です。
Q3-24 職員の賠償責任が生じるケースは、同時に何らかの法令違反や刑事上の訴追対象となることが多いが、免責との関係はどのようになっているのか?
A3-24
刑を科せられるべき違法な行為(犯罪行為)は免責事項ですが、過失犯(過失により行われる行為が犯罪となるもので過失傷害罪や業務上過失致死傷害罪など)には、当該免責事項は適用されません。(違法性を認識していた場合は上記の回答のとおりです。)
なお、刑事訴訟に伴う争訟費用等は補償の対象外です。
Q3-25 訴訟が取り下げられた場合、すでに支払っていた弁護士の着手金は補償の対象となるのか?
A3-25
訴訟の相手方が訴訟の取下げを行った場合、応訴側の被保険者の勝訴が確定しますが、引受保険会社の同意を得て支出した弁護士費用や訴訟費用については、「公務員賠償責任保険」における免責事項に該当しない限り、補償されます。
Q3-26 国家賠償法に基づき、職員個人(被保険者)が地方公共団体等から求償された場合、補償の対象となるのか?
A3-26
国家賠償法による損害賠償請求訴訟において国または地方公共団体が損害賠償責任を負った場合に、職員に故意または重大な過失があったときは、職員は国または地方公共団体から求償されることになります。(国家賠償法第1条第2項、国家賠償法第2条第2項)
「公務員賠償責任保険」では、国家賠償法に基づき、地方公共団体等の記名法人(加入依頼書記載の地方公共団体をいいます。)から被保険者に対する国家賠償法第1条第2項および国家賠償法第2条第2項に基づく求償権の行使や住民訴訟請求の結果としての請求(求償を含む)について、免責事項(公序良俗違反など)に該当しない限り、補償の対象となります。
Q3-27 初年度契約加入日前に行った行為に起因する請求も補償の対象となるのか?
A3-27
初年度契約の保険期間の初日より前に行われた行為に起因する保険期間中に提起された一連の請求も補償の対象となります。また、加入日からの遡及期間の制限もありません。 ただし、「この保険契約の保険期間の初日より前に被保険者に対してなされていた請求の中で申し立てられていた行為に起因する一連の請求」、「この保険契約の保険期間の初日において請求がなされるおそれがあることを知っていた場合」など免責事項に該当する場合は、当該保険契約については補償の対象外です。
  • 「医師賠償責任保険」「看護職賠償責任保険」「薬剤師賠償責任保険」については、それぞれ取り扱いが異なります。代理店(㈱自治労サービス)または引受保険会社(東京海上日動火災保険㈱)にお問合せください。
Q3-28 住民訴訟により被保険者が不当利得返還請求を受けた場合に、当該不当利得返還も補償の対象となるのか?
A3-28
不当利得返還金そのものは補償の対象とはなりません。ただし、不当利得返還請求に係る争訟費用(弁護士報酬など)は補償されます。ただし、免責事項に該当する場合を除きます。
Q3-29 「被保険者と他人との間に損害賠償に関する特別の約定がある場合においてその約定によって加重された賠償金」は法律上の損害賠償金から除外されているが、これはどのような意味か?
A3-29
例えば、被保険者が被害者に対し損害賠償金を支払わなければならない場合に、本来であれば1,000万円が妥当な損害賠償金であるにもかかわらず、2,000万円を支払うなどと約束(約定)をしても、その2,000万円全額を保険金として支払うことはできないという主旨です。ただし、この場合の本来支払うべき1,000万円については、当然保険金として支払われます。
Q3-30 民事訴訟を提起すると住民から言われた際に、示談で解決し、その際に支出した示談金は補償の対象となるのか?
A3-30
示談金や和解金などの損害は、内容証明等の書面により損害賠償を求められたことが明らかな場合であって、示談や和解に先立って、引受保険会社が必要かつ妥当と認めたものに限り、補償の対象となります。(第4章参照)
Q3-31 地方公務員が原告となってなされた請求(いわゆる、身内訴訟)に起因する損害は補償の対象となるのか?
A3-31
地方公共団体またはその職員からなされた請求、またはこれらの者が関与してなされた請求は、補償の対象外となります。ただし、下記のいずれかに該当する場合は、補償の対象となります。
  1. ①その請求以外に被保険者と記名法人の職員との間に利害関係がないと判断される場合
  2. ②住民監査請求による監査委員会の勧告の措置に基づいて地方公共団体が被保険者に対して請求を行う場合
  3. ③住民訴訟の結果、地方公共団体が被保険者に対して請求を行う場合
  4. ④地方公共団体が国家賠償法第1条第2項に基づいて被保険者に対して求償権を行使する場合
  5. ⑤地方公共団体が国家賠償法第2条第2項に基づいて被保険者に対して求償権を行使する場合
  6. ⑥地方自治法243条の2等(*1)によって首長から弁償請求・損害賠償命令がなされた場合
    *1 監査委員が実施する監査の結果による、会計法第41条1項、予算執行職員等の責任に関する法律第3条第2項、物品管理法第31条第1項および第2項により被保険者に対してなされた弁償請求、および地方自治法243条の2の規定により被保険者に対してなされた損害賠償命令
  • 「医師賠償責任保険」では、身内訴訟に関する免責事項はなく、他の免責事項に該当しない限り、補償の対象となります。
Q3-32 地方公務員が原告となった請求においても「その請求以外に被保険者とこれらの者との間に利害関係がないと判断される場合」は補償の対象となるが、利害関係の有無はどのように判断されるのか?
A3-32
利害関係は、「互いに利害が影響しあう関係」をいいます。対象となっている請求以外に、金銭的、社会的地位的等において互いの利害が影響しあう場合(たとえば、同じポストを争う関係である等)は、利害関係があると判断されます。
Q3-33 保険金をお支払いできない場合の「公序良俗に反する行為」とは?
A3-33
公序良俗に反する行為には、財産的秩序に反する行為、倫理的秩序に反する行為、自由や人権を害する行為などがあります。例えば、パワハラはこれに該当しますが、その他の具体的な事例としては個別事象毎に判断することになります。
‐パワハラの定義(2012.1厚労省が公表)‐
『職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為』。
Q3-34 一部事務組合の職員の加入の可否は?
A3-34
可能です。本制度の加入対象である「地方公共団体の職員」とは、地方自治法第1条の3第3項にある「特別地方公共団体(特別区・地方公共団体の組合・財産区および地方開発事業団)の職員」をいいます。地方公共団体の組合は、普通地方公共団体及び特別区が行う事務の一部を共同処理するために設けられる法人で、消防、上下水道、ゴミ処理、福祉、学校、公営競技の運営等が行われています。
  • 一部事務組合は、特別地方公共団体である地方公共団体の組合の一つ。複数の普通地方公共団体や特別区が、行政サービスの一部を共同で行うことを目的として設置する組織で、地方自治法284条2項により設けられています。略称は一組(いちくみ)。
Q3-35 地方独立行政法人の「公務員型」と「非公務員型」の違いは?
A3-35
地方独立行政法人とは、地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)に規定される「住民の生活、地域社会及び地域経済の安定等の公共上の見地からその地域において確実に実施されることが必要な事務及び事業であって、地方公共団体が自ら主体となって直接に実施する必要のないもののうち、民間の主体にゆだねた場合には必ずしも実施されないおそれがあるものと地方公共団体が認めるものを効率的かつ効果的に行わせることを目的として、この法律の定めるところにより地方公共団体が設立する法人」をいいます。大きく「特定地方独立行政法人」(公務員型)と「一般地方独立行政法人」(非公務員型)に分けらます。このうち、「特定地方独立行政法人」(公務員型)の職員は地方公務員の身分であるため本制度への加入対象者となります。「特定地方独立行政法人」(公務員型)であるかどうかは、地方独立行政法人法第2条第2項に規定する、特定地方独立行政法人への該当有無を確認する必要があります。

■「特定地方独立行政法人」(公務員型)
その業務の停滞が住民の生活、地域社会若しくは地域経済の安定に直接かつ著しい支障を及ぼすため、又はその業務運営における中立性及び公正性を特に確保する必要がある」(第2条第2項)地方独立行政法人で、役員及び職員は地方公務員の身分となります。
《ご注意》「特定地方独立行政法人」(公務員型)から「一般地方独立行政法人」(非公務員型)および民間組織への組織変更が発生した場合、公務員賠償責任保険制度の加入者は翌年度から契約更新ができなくなります。
■「一般地方独立行政法人」(非公務員型)
上記以外の法人で、役員及び職員は公務員ではありません(「非公務員型」と呼びます)。従って、本制度では加入対象とはなりません(公務員リスクは存在しないため、被保険利益自体がございません。)ただし、医師・歯科医師・看護師・保健師・助産師・薬剤師の職種の方につきましては、自治労共済生協で別途制度(専門職業人賠償責任保険)をご用意しておりますので加入申込は可能です。詳しくは自治労サービスへお問い合わせください。

【参考】地方独立行政法人法(抜粋)
第二条  この法律において「地方独立行政法人」とは、住民の生活、地域社会及び地域経済の安定等の公共上の見地からその地域において確実に実施されることが必要な事務及び事業であって、地方公共団体が自ら主体となって直接に実施する必要のないもののうち、民間の主体にゆだねた場合には必ずしも実施されないおそれがあるものと地方公共団体が認めるものを効率的かつ効果的に行わせることを目的として、この法律の定めるところにより地方公共団体が設立する法人をいう。
2  この法律において「特定地方独立行政法人」とは、地方独立行政法人(第二十一条第二号に掲げる業務を行うものを除く。)のうち、その業務の停滞が住民の生活、地域社会若しくは地域経済の安定に直接かつ著しい支障を及ぼすため、又はその業務運営における中立性及び公正性を特に確保する必要があるため、その役員及び職員に地方公務員の身分を与える必要があるものとして第七条の規定により地方公共団体が定款で定めるものをいう。
Q3-36 特別職の取扱は?
A3-36
「知事・副知事・市長・副市長・議員」以外の特別職の取り扱いについては、地公法(第3条第3項)上、第3号(斜線部分)以外の各号に該当する場合、加入できない取り扱いになります。
つきましては、特別職の組合員の身分が、地公法第3条第3項第3号に該当するのかどうかを、申込者本人に確認していただきます。 なお、「Q3-2」にも、取り扱いが規定されていますので、合わせてご確認ください。
地方公務員法(一般職に属する地方公務員及び特別職に属する地方公務員)

第3条 地方公務員(地方公共団体及び特定地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第2項に規定する特定地方独立行政法人をいう。以下同じ。)のすべての公務員をいう。以下同じ。)の職は、一般職と特別職とに分ける。

 一般職は、特別職に属する職以外の一切の職とする。
 特別職は、次に掲げる職とする。
  1. 1.就任について公選又は地方公共団体の議会の選挙、議決若しくは同意によることを必要とする職
  2. 1の2.地方公営企業の管理者及び企業団の企業長の職
  3. 2.法令又は条例、地方公共団体の規則若しくは地方公共団体の機関の定める規程により設けられた委員及び委員会(審議会その他これに準ずるものを含む。)の構成員の職で臨時又は非常勤のもの
  4. 2の2.都道府県労働委員会の委員の職で常勤のもの
  5. 3.臨時又は非常勤の顧問、参与、調査員、嘱託員及びこれらの者に準ずる者の職
  6. 4.地方公共団体の長、議会の議長その他地方公共団体の機関の長の秘書の職で条例で指定するもの
  7. 5.非常勤の消防団員及び水防団員の職
  8. 6.特定地方独立行政法人の役員
Q3-37 消防職員の取扱は?
A3-37
加入者(被保険者)の範囲をご参照ください。
加入要件を満たしていれば本制度への加入は可能です。
Q3-38 民事訴訟を提訴すると住民から言われた際に、示談で解決し、その際に支出した示談金は補償の対象となるか?
A3-38
内容証明等の書面により損害賠償を求められたことが明らかな場合で、示談や和解に先立って保険会社が事前に必要かつ妥当と認めたものに限り、示談金や和解金などの損害は、補償の対象となります。民事訴訟と並ぶ紛争解決手段となっている民事調停についても、保険会社が事前に認めたものに限りお支払いの対象となります。

●第4章 保険金支払い

Q4-1 裁判等において最終判断がなされるまで保険金として支払われないのか?
A4-1
免責事項に該当する疑いがある場合についてはその判断がなされるまで保険金を支払うことはありません。疑義がない場合については、以下の通りとなります。
  1. ①法律上の損害賠償金
    損害賠償責任の有無および損害賠償金の額が確定した時点でお支払いします。
    ただし、引受保険会社が法律上の損害賠償金に対して保険金をお支払いできるのは、次のいずれかに該当する場合に限ります。
    • a.被保険者が被害者に対して既に損害賠償としての弁済を行っている場合
    • b.被保険者の指図に基づき、引受保険会社から被害者に対して直接、保険金を支払う場合
    • c.被害者が被保険者の引受保険会社に対する保険金請求権についての先取特権を行使したことにより、引受保険会社から被害者に対して直接、保険金を支払う場合
    • d.被害者が被保険者への保険金支払を承諾していることを確認できる場合
  2. ②争訟費用
    事前に、引受保険会社が必要であると認めた弁護士費用等は、請求の解決に先立ってお支払いします。
  3. ③初期対応費用
    被保険者が支出した初期対応費用をお支払いします。結果として被保険者に法律上の賠償責任がないと判明した場合であっても、それまでに保険金として支払われたものを引受保険会社に返還する必要はありません。
  4. ④訴訟対応費用
    被保険者が支出した訴訟対応費用をお支払いします。結果として被保険者に法律上の賠償責任がないと判明した場合であっても、それまでに保険金として支払われたものを引受保険会社に返還する必要はありません。
  • 「医師賠償責任保険」「看護職賠償責任保険」「薬剤師賠償責任保険」で補償の対象となる損害の範囲については、パンフレット等をご確認ください。
Q4ー2 争訟費用の先払いは可能か?
A4-2
訴訟の解決に先立って、争訟費用を支払うことは可能ですが、支払った後に争訟費用を支払えない事実(免責事項)が判明した場合は、返還していただくこととなります。
Q4-3 引受保険会社において、被害者との示談交渉を行ってもらえるのか?
A4-3
引受保険会社が被保険者に代わって、被害者との示談交渉を行うサービスはございません。
Q4-4 裁判で敗訴した場合も補償されるのか?
A4-4
本保険では裁判の勝ち負け(法律上の賠償責任の有無)にかかわらず、被保険者が負担する争訟費用を補償します。
裁判で敗訴し、地方公共団体等ではなく地方公務員個人が法律上の賠償責任を負うことによって損害を被った場合は、免責事項(法令に違反することを被保険者が認識しながら行った行為など)に該当しない限り、その損害(法律上の損害賠償金)に対して、保険金をお支払いします。
また、裁判の勝ち負け(法律上の賠償責任の有無)にかかわらず、被保険者が負担する訴訟対応費用・初期対応費用も補償の対象です。
ただし、自らが相手を訴える損害賠償請求に関する費用は、補償対象外ですのでご注意ください。
Q4-5 初期対応費用の対人見舞金の具体的な支払事例とは?
A4-5
例えば、加入者(被保険者)である保育士が、保育中に公園で園児を遊ばせていたところ、園児が遊具に指を挟みケガをしてしまった場合で、保育士には責任がなく、損害賠償請求もなされていなかったが、保育士が園児をお見舞いして見舞品を渡した時の見舞品購入費用(被害者1名につき3万円が限度)などが想定されます。
Q4-6 見舞品購入費用(初期対応費用)を保険金請求する際には、領収証は必要か?
A4-6
初期対応費用は、被保険者が実際に支出した費用を補償するものであり、保険金請求の際には領収証など支出した費用および購入品が分かるものが必要です。
Q4-7 保育現場では、園児の親の承諾のもとで保育士が薬を投与している実態があるが、当該行為に起因する賠償責任リスク(投与を失念、薬の誤りなど)は公務員賠責保険での補償対象となるのか?
A4-7
保育現場での薬の投与は、厚生労働省も「保育所保育指針・解説書」のなかで、一定の要件のもと容認しています。
医師の指示に基づいて、保護者に医師名・薬の種類・内服方法等を具体的に記載した与薬依頼票を持参してもらった上で薬を園児に投与するなど、厚生労働省の指針に基づく行為に起因する賠償責任リスクは、「公務員賠償責任保険」の補償の対象となります。
Q4-8 自治労共済生協の公務員賠償責任保険制度における実際の事故の支払事例には、どのようなものがあるのか?
A4-8
以下は実際にあった事例です。
A市役所の職員Bが窓口で住民対応を行っていたところ、来所した市民C(原告)が使い捨てカメラで職員Bの写真を撮ろうとした。職員Bが肖像権の侵害を理由にカメラを一時的に取り上げたところ、市民Cは「カメラを強奪された」と暴れ出し、警察に通報する騒ぎとなった。この数ヵ月後、市民Cより、カメラの返還・詫び状の提出・謝罪広告の掲載等を請求する職員Bあての訴状が突然送られてきた。
〔訴訟の結果〕
原告の請求は主張自体に理由がないとして全て棄却。(職員Bの勝訴)
〔保険金支払い〕
弁護士費用(着手金・成功報酬等)として40万円弱の費用が発生
訴訟で必要となる費用は、敗訴したときの損害賠償金だけではありません。勝訴しても、自らの弁護士費用等の争訟費用の負担を強いられることがあり、基本的には職員の個人負担となります。
(一般的な例)着手金 10万円~100万円/成功報酬 10万円~150万円
Q4-9 地方自治法243条の2等(※)による首長からの弁償請求・損害賠償命令の際の具体的な支払い方法は?
※「予算執行職員等の責任に関する法律第3条第2項」の請求は除く。
A4-9
損害の合計額に対して、支払限度額(ご加入タイプの「法律上の損害賠償金および争訟費用」の額の内枠で、かつ、その50%の額が適用されます)を限度に保険金をお支払いします。 

例1:
損害の合計額が200万円の場合(タイプSご加入)の支払額
通常の支払限度額(3億円)の50%である1.5億円が限度額
=200万円お支払いとなります。

例2:
損害の合計額が20万円の場合(タイプBご加入)の支払額
通常の支払限度額(5000万円)の50%である2500万円が限度額
=20万円のお支払いとなります。
Q4-10 「予算執行職員等の責任に関する法律第3条第2項」の規定による弁償請求の際の具体的な支払い方法は?
A4-10
損害の合計額に縮小支払割合(90%)を乗じて算出された金額に対して、支払限度額(ご加入タイプの「法律上の損害賠償金および争訟費用」の額の内枠で、かつ、その50%の額が適用されます)を限度に保険金をお支払いします。

例1:
損害の合計額が200万円の場合(タイプSご加入)の支払額

通常の支払限度額(3億円)の50%である1.5億円が限度額
損害の合計額(200万円)×縮小支払割合(90%)
=180万円お支払いとなります。
Q4-11 保険金をお支払できない場合の「知っていたと判断できる合理的な理由」とは?
A4-11
賠償請求がなされた当該被保険者の加入経緯や所属部署、役職等から関与度を確認させて頂き、「知っていたと判断できる状況かどうか」を総合的に勘案し、判断させて頂くこととなります。その為、複数人の場合には個々人により関与度も異なることが想定されます。

参考:公務員賠償責任保険 普通保険約款 第2章 第6条 ③(免責事由)
「この保険契約の保険期間の初日において、被保険者に対する損害賠償請求がなされるおそれがある状況を被保険者が知っていた場合(知っていたと判断できる合理的な理由がある場合を含みます。)に、その状況の原因となる行為に起因する一連の損害賠償請求」

●第5章 加入申し込み

Q5-1 加入するには、どのようにしたらよいのか?
A5-1
加入依頼書に必要事項を記入・捺印の上、保険料と共に所属の組合事務所までご提出ください。
Q5-2 保険期間は?
A5-2
2021年度契約の保険期間は、2021年10月1日~2022年10月1日までの12ヶ月間となります。以降、毎年10月1日が更新日となります。
Q5-3 加入依頼書の取付を省略する自動更新は可能か?
A5-3
組合の事務を軽減するため、自動更新としております。既加入者については、非継続もしくは内容変更の申し出がない限り、前年同内容にて自動的に契約更新します。
Q5-4 掛金収納方法で口座振替は選択可能か?
A5-4 
口座振替の選択は、単組単位で決定していただきます。当該単組全組合員に適用されますのでご注意ください。
  • 10月1日発効契約(新規・更新)に対してのみ口座振替が可能です(口座振替日は毎年、11月27日前後を予定)。振替手数料(82円/件)は単組の負担となります。
  • 振替不能となった場合、その結果を速やかに単組へ連絡します。加入者から集金の上、指定の期日までに自治労サービスへ送金いただくようお願いします。
  • 11月発効以降の中途加入募集については対応できません。(次年度更新時より口座振替となります。)
Q5-5 保険期間途中で補償タイプを変更すること(【例】タイプA→タイプB)は可能か?
A5-5
保険期間途中での補償タイプ変更(支払限度額の増減変更(タイプA⇒タイプBなど))はできません。 次回の契約更新時に変更いただくよう、お願いいたします。
ただし、職種変更(看護師⇒一般職)に伴う契約内容変更(ただし、補償タイプは同一のまま)は可能ですので、別途、取扱代理店までお問い合わせください。
Q5-6 告知欄への記載はどのようにすればいいのか?
A5-6
公務員賠償責任保険制度では、加入時点において、被保険者に対する損害賠償請求がなされるおそれがある状況を被保険者が知っていた場合(知っていたと判断できる合理的な理由がある場合を含む)は、その状況の原因となる行為に起因する一連の損害賠償は免責となります。
  • 判断に迷う場合は、代理店(㈱自治労サービス)にご相談ください。
  • 告知をすることで、その原因となる行為に起因する損害賠償請求を直ちに免責とする趣旨ではありません。(また、告知がなされないことで、事故が発生した際に直ちに告知義務違反を問うものでもありません。) 適正な引き受けをさせていただくための基準とすることと(告知の内容によっては詳細照会をさせていただくこともあります)、将来事故が発生した際の対応の判断基準にさせていただくものです。(個々の事案の対応については、その他の状況を含めてあくまで個別に判断をさせていただきます。)
Q5-7 単組が保険料を負担(補助)するにはどうすればいいか?
A5-7
加入希望する組合員から加入依頼書を取付け、掛金については組合から県支部に送金します。
全国的には以下のような事例があります。
◇組合員全員で一括加入(全額保険料を補助)
  • ・単組で全員加入を組織決定し、保険料の全額(但、Cタイプの年間保険料相当分)を単組が負担して加入手続きを行った。※A,Bタイプの希望者は差額を個人負担。
◇加入希望者のみ単組から保険料補助
  • ・加入希望者に対して保険料の半額を単組が補助。
  • ・加入希望者に対して保険料の1/3(なおかつ上限1,000円)を単組が補助。

●第6章 その他

Q6-1 3月末は定期異動の時期で、所属先や所属先電話番号が変更となる加入者が多数出ることが予想されるが、契約内容変更依頼書に記載されている変更事由に該当する場合は、必ず変更の都度、契約内容変更依頼書を提出しなければならないのか?
A6-1
次のいずれかの事実に変更があった場合は、必ず変更の都度、遅滞なく契約内容変更依頼書をご提出ください。
  1. ①所属自治体(所属の地方公共団体・特定地方独立行政法人(派遣されている場合は派遣元))
  2. ② 保険料が変更となる職種変更
  3. ③ 加入者氏名(改姓)
その他の変更事項(所属課名など)につきましては、更新時の加入依頼書に、変更事項を反映した情報を記載することで変更の手続きが出来ます。
Q6-2 解約の受付時期と返戻金の口座着金のタイミングは?
A6-2
加入受付と異なり、解約は随時受付けています。事務処理マニュアルの流れに沿って解約依頼書を送付いただき、自治労サービスから引受保険会社への書類送付後2週間以内を目処に引受保険会社から直接、加入者の指定口座に解約返戻金をお支払いします。
Q6-3 地方公共団体単位で同様の保険制度を独自に導入しているところはあるのか?
A6-3
いくつかの都道府県や市町村では既に類似の「公務員賠償責任保険」を導入しています。
「自治労共済生協の公務員賠償責任保険制度」は、全国規模のスケールメリットを活かして、他の地方公共団体単位で導入されている制度よりも保険料・補償内容のいずれにおいても競争力の高い商品となっています。
Q6-4 地方公務員で同様の保険制度に現在どのくらい加入しているのか?
A6-4
正確な数字は把握できませんが、少なくとも10数万人規模の加入実績があります。